「少しやり過ぎてしまったようです。
出来れば御無礼をお許しいただき、また今までのように話して下さるとうれしいのですが・・・」
「さ、沙希!いいよ、そんなあたし気にしてな「それは良かったです!」・・・え?」
あまりにも沙希が深く頭を下げて、弱弱しい声を出すものだから。
いつもの自信と余裕と嫌味に満ち溢れた沙希とまったく違うから。
あたしも反射で、驚きと(多少の)怒りをどっかに放り投げてしまってフォローしようする・・・が、その声を遮って沙希が顔を上げた。
その顔の、笑顔と言ったらもう、なんていうか、ね。
「許して下さってありがとうございました!」
この笑顔、は、 まさか ───
「これからも、よろしくお願いしますね?」
にやりと口元だけで笑った底意地の悪いその顔に、あたしは気付く。
嵌められた 、と。
「さ、沙希ぃぃぃぃぃぃっ!!!」
こうしてあたしの反抗はむなしく散り、
転校も、友人たちの別れも、あっさりと確定したのだった。
そして何より、この男が危険な狼だというのが一番の衝撃だったりする。
───あたし、本当に大丈夫かな?

