え、なに?またあの命がけの毎日に逆戻りだっていうの!?

思わず叫んでしまったあたしに、沙紀は「じゃぁいらない?」とにやり。



「う・・・」

「いいぜ、捨てても。もう買ってやんないけど」

「ううううっ!!」



だって、沙紀がくれた指輪なのに・・・それは捨てられるわけないでしょ。

口を閉ざしてしまったあたしを見て、確信犯らしい沙紀は頬にキスを1つ。



「守ってやるよ・・・一生、な?」



走りながら器用な奴、と思いつつあたしは口を尖らせた。



「守られてばかりはいやだっていったのに」

「じゃあどうします?」



余裕そうに呟いた沙紀にむっとして、

あたしは沙紀の肩に手を掛けるとほんの少し身体を押して彼の腕から飛び降りる。

それから、あっけにとられる彼の手を引いて、自ら先に駆けだした。