Sの法則-平凡姫と俺様SP-




バアンッ!!



「・・・・・・・・・」



聞き慣れたくもないのに聞き慣れた、

二度と耳にしたくなかったのに久しぶりな、暴発音。

おそるおそる首を横に向けると、

ちょうど隣の桜の幹に刺さる、黒光りする銀色の弾丸。

遠目でも一瞬で弾丸だって分かる、見慣れた自分がちょっと恐ろしい。

でもそれ以上に、久しぶりに見たこの物体に・・・なんだか嫌な予感。



「・・・あの、沙紀・・・」

「はい?」

「なんで・・・・・・・・・弾丸?」



聞きたくないような、聞かなきゃいけないような。

甘い雰囲気も吹っ飛び、感動の涙も引っ込んだ今、

あたしの声は異常なくらい低く冷静だった。

あたしの問いかけに、沙紀はケロリとした顔で、



「そりゃまぁ、その指輪の成分“アポロン”だし」

「あ・・・あぽろん?」