どんっ、と遠慮なく沙希の前であぐらをかく。
沙希は呆れ顔。そりゃSPとして守ってきたようなお嬢様たちとは生まれも育ちも違いますから!
それを一々突っ込んでる必要はない。
そう、例えその顔に“本当に淑女から程遠い方ですね”と書かれていたってね。
あたしがあまりに開き直ったことに気付いたのか、沙希も決してそれを指摘することはせずに口を開いた。
「いつからも何も・・・退院直後からですね」
「は?転校ってそんな簡単に出来るの?」
「手続きはもう済んでますから」
「もう最初っからあたしに選択権ないじゃん!!」
思わず全力で前のめりに突っ込んでしまった。(前言?撤回よ撤回!)
「あたしに選択権は!?友達とのお別れは!?親は学校は先生は!!?」
「鈴様なら快諾してくれるものと思っていましたし、お別れは明日ゆっくりできます。
ご両親や学校の方々も快く了承してくれましたよ」
そう言って見せられた紙には、確かに我が家と校長と担任のハンコが押してあるけど・・・

