「なんて言ったかちゃんとは知らねぇけど───
親父にも、警察にも、弁護士にも、あいつが必死に掛け合ってくれたんだ」
「龍世君が───」
沙紀が逮捕されてから、毎日一緒にいてくれた龍世君。
相変わらず全然素直じゃ無かったし、
憎まれ口もずいぶん増えていたけれど、
その毎日の中で彼なりに思うところがあったのかもしれない。
「礼言いに行ったら、
『そんなこと言ってる暇あったら鈴に会いに行け』って追い返されたよ」
沙紀はそう言って苦笑した。
ここであたしはやっと龍世君のメールを思い出す。
チャラって・・・
もしかして、沙紀のために頑張ってくれたこととあたしのところに届けてくれたことじゃないかなって。
(でも、あたし龍世君に貸しなんて作ってたっけ?)
「鈴、髪伸びたな」
龍世君のことを考えていると、沙紀があたしの髪を一房手に取った。
「沙紀も」と言ったら彼も笑った。

