「鈴」
その声で名前を呼ばれるだけで、胸がいっぱいになって声が出なくなる。
代わりに溢れてくるのは、涙ばかりで。
「・・・っ、さ、き・・・っ」
掠れた声で名前を呼んだら「なんだよ」と彼は笑った。
その肯定とも取れる言葉にはじかれるように、
あたしは思わず駆け寄って彼の胸に飛び込む。
大好きな、甘いにおいに包まれた。
「沙紀・・・っ、沙紀・・・!」
「うん」
「遅いよ、ばかっ・・・」
「ごめんな」
ばかぁっともう一度言うあたしの頭を沙紀はぽんぽんと撫でてくれた。
「でも、どうして?」とあたしはすぐに顔を上げる。
「どうして、ここに?」
「・・・龍世が、俺の罪を軽くしてくれたんだ」
「龍世君が・・・?」
驚いているあたしに、沙紀は「あぁ」と大きく頷いた。

