Sの法則-平凡姫と俺様SP-




・・・って何やってんだろ。(あたし完全に不審者だ)

「バカじゃないの?」って言ってる姿が真っ先に思い浮かぶのは、

もうマナではなくて由美に戻ってしまった。

それが嬉しくもあり、寂しくもあったりする。

そんな脳裏に浮かんだ由美が



「クラス打ち上げ、17時に駅前ね」



と言ったので、あたしは慌てて時計を見た。

16:27、一回家に帰ること考えるとそろそろ急がないといけない時間だ。

あたしは視線を前に向けて、少し小走りになろうと足に力を込める。

けど、



「鈴」



その足が、動くことは、なかった。



「・・・うそ・・・」



空から目の前に視線を戻した瞬間、

まるで桜が幻影を作ってくれたかのように突然現れたその姿に、

あたしは呆然と呟いた。



「嘘だとか遅いとか、随分な言い方すんなぁ」



少し意地悪そうに、彼はそう言って喉でクツクツと笑った。

完全に固まってるあたしの返事なんて待とうともせず、

彼は「いや、遅いか」と一人呟いてあたしの傍に一歩・・・



また一歩。