そんなあたしの顔をじーっと見た後、彼はわざとらしい大きな溜息をつく。
「───そうですよね、無理ですよね」
「あぁ?」
「鈴様の環境が変わられることを、旦那様も心配されていたんです。
鈴様なら大丈夫だろうと信頼してつい私が推してしまったのですが・・・そうですね、私が買いかぶりすぎたんですね」
かっちーんっ!!という効果音が響いた。
いや、罠だとは思うけど!
こんな話展開王道すぎると思うけどね!
分かってる、分かってますとも!!
だけど、・・・あたし、あたし・・・
「そんなに言うならお嬢様でも女王様でもなってやろうじゃないの!」
そんな単純な性格してますからぁぁぁ!!?何か問題でも!!?
思わずベッドの上に立ちあがって仁王立ち。
漫画なら、後ろに富士山と赤白の太陽と波がざっぱーんと言ったところだろうか。
「さすがです、鈴様」と嫌味ったらしい笑みを浮かべて、心にもない拍手をしている沙希なんてスルーよスルー!(気にしたら間違いなくあたしの負け!)
「・・・で、いつから転校なわけ?」

