本当はそんな役回りしたくないはずなのに、

どうしても素直になれなくて不器用な言葉しか口に出来ないんだろう。

こんなところが似てるんだな、と兄弟を思い描いてちょっとだけ笑いそうになった。



「龍世君」

「・・・なに?」

「明日からさ、お見舞い来てよ。毎日」

「はぁ?」


あたしの言葉に、龍世君は嫌そうに顔を歪めた。

いつもの仮面っぽい笑顔じゃ無くて、

等身大の高校生らしい表情とリアクションに思わずぷはっと笑ってしまう。



「だって沙紀いなくなっちゃったし。罪悪感あるなら、代わりにお話しに来てよ」



毎日暇なんだよね、と言えば、

彼は「何考えてるの?」と疑わしそうな目であたしを見た。

あたしは首を横に振る。