離れる、って考えるだけで胸がぎゅっとなって、涙が滲むんだもん。
こんなに毎日一緒にいたのに、急にいなくなるなんて、考えられない。
考えたくもない。
前の生活に戻るために離れるだけだったならあんなにあっさり我慢出来たのに。
たぶん、離れてもきっとまた沙紀に会えるって妙な自信があったんだ。
でも、今回は違う。
沙紀の罪の重さの判断によっては何年、ううん何十年掛かるかもしれない。
だからこんなにも離れることが不安で、一緒にいたいという想いが強くて、
現実を受け入れられなくて苦しい。
頭では分かってるの。
それになにより、本当は───
「・・・沙紀」
「なに?」
「・・・逃げる?一緒に」
世界を敵に回しても、2人だけで生きていく?
あたしは自分の中に答えがあるのに、わざと沙紀に問いかけた。
沙紀はなんて答えるだろう、なんて正直見えている。
───本当は、あたしも沙紀も、きっと答えなんて分かってた。同じ答えだった。
ただ口にする勇気が無くて、核心に触れて現実として受け入れるのを先延ばししているだけなんだ。

