「それでも、俺があのとき罪を犯してなかったら・・・鈴と出会えなかったんだよな」
思わず沙紀の言葉を否定するように上げてしまった声の続きを、沙紀が言ってくれた。
その顔には少しだけ優しい笑みが浮かんでいて、
あたしのことを話すときにいつも甘い顔を見せてくれる沙紀が愛しくて、
場違いかも知れないけど嬉しさで泣きそうになった。
そんなあたしに気付かず、沙紀は「皮肉だよな」と自分に言い聞かせるようにもう一度呟く。
「鈴に出会えて良かった。・・・でも、離れたくない。
どっちも自分が蒔いた種のくせに───俺、何ガキみたいなこと言ってんだろ」
沙紀は、「鈴」と不安気にあたしの名前を口にした。
「・・・俺、どうすれば良かったんだろうな」
「沙紀───」
「俺、これからどうすればいい?」
いつも俺様で毒舌でドS全開でマイペースな、沙紀。
その彼がこんなにも弱って、迷って、不安になって、あたしに助けを求めてる。
あたしは?
あたしはどうしたい?
どうすればいい?
沙紀の問いかけと同じことを、自分自身に問いかけてみる。
・・・あたし、
・・・あたし、は───

