「俺が指示をしたせいで巻き込んだことに対する罪悪感とか、
母親と同じ“一般人”であることへの興味とか、
唯一俺を認めてくれている祖父を救ってくれた感謝とか───」
「・・・」
「なにより、神谷の血が入ってない人間なら誰でも良かったんだ」
そういう、理由だったんだ。
そりゃぁ最初はあたしだって沙紀のことなんとも思ってなかったんだし、
別にお互い様なんだけど。
なんとなく複雑な思いでモヤモヤしたら「ごめんな」と沙紀が目を細めた。
「ただ、鈴は出会った瞬間から俺の中では何かが違ったよ」
「そうなの?」
「あぁ。『守られるだけは嫌だ』って言っただろ?
今思えば、その時からお前は特別だったんだ」
沙紀の言葉の意味は正確には分からない。
ただ、なんだかすごく優しく微笑んでくれたから、
それだけで十分な気がしてしまった。

