「運良く警察を辞めさせられはしなかったが、担当のいないSPなんて邪魔なだけだ。
上司から『神谷財閥担当になれ』と言われるまでに、時間は掛からなかった」
「そっか・・・」
そりゃ、沙紀が神谷家と繋がっているなんて誰も想像しないだろうし。
「それでも、最初はなんとか神谷の手から逃れたんだよ」
「それが・・・?」
「あぁ。綾小路家・・・つまりは、杏華の専属SPになることだった」
そういえば、杏華様のSPをしていた頃の沙紀の話に、
違和感を覚えたことがあったっけ。
杏華様が沙紀に“SP”を求めている以上に、
沙紀が“SP”であることに固執しているような感覚。
ほんの少し前の沙紀だなんて言われても分からないくらい、今の沙紀と全然違う。
もしかしたら、
「もしかしたら、神谷の家に戻りたくなくて必死に“SP”としての仕事を求めていたのかもしれないな」
あたしの気持ちとリンクするように、沙紀は自嘲気味に笑ってそう言った。
ミスを押しつけられたショックもあったかもしれない、と沙紀は付け足した。

