あたしの好きな紅茶の濃度もわかりきってる沙紀は、
慣れた手つきですでに茶葉を外している。
その光景に、あたしはなんだか心がぽかぽかするような気がした。
目が覚めて数日、毎日こんな感じ。
場所は病室だしあたしは病人だし、色気なんてまるでないけど。
優しい日差しが窓から入って、
涼しい風がふんわりとレースのカーテンを揺らす。
彼とあたしの間にはもうしがらみなんて無くて、ただ穏やかに過ごす毎日。
ちょっとした言い合いさえも、愛しいと思える。
そんな毎日を、過ごしてた。
“あと2週間”というカウントダウンなんて忘れるくらい、
毎日沙紀といられることが幸せだった。
だから、この日だって、
いつも通りだと信じてたんだ。

