どちらかと言えば、あたしの気持ちはあとどれくらい沙紀と一緒にいられるかということ。
沙紀の淡々とした報告を聞きながらその思いで彼を見つめていると、
───『少なくとも入院してる間はずっと一緒だよ』
と沙紀が優しく微笑んで頭を撫でてくれた。
退院後については、
家で療養するか、それとも容態急変に備えて神谷家にお世話になるか、
あたしの回復具合次第らしい。
(まぁたぶん、あたしのことだから前者になると思うけど)
(だって普通の人の“万が一”なんてあたしにとって“億が一”くらいの健康人間なんだから)
「熱いから気をつけろよ」
そんな声と、カタンという音にあたしははっと我に返る。
沙紀が入れてくれた目の前のベッドテーブルに置かれた紅茶からは、
湯気と共に甘いいいにおいがした。
「沙紀の入れてくれる紅茶もあと何回飲めるかなー?」
「高い紅茶が、じゃないのか?」
「ほら、紅茶葉は勇気出して買えてもさ、沙紀は付いてこないじゃん」

