箱の中を見出したあたしを見て、沙紀は「ブタになるぞ」と一言。
「大きなお世話」と返せば、彼ははぁーっと長いため息をついた。
「・・・弱ってる時はかわいかったのに」
「悪かったね、かわいくなくて」
どうせ元気なあたしはかわいくないですよ。(人生の9割9分元気だけど!)
拗ねて口を尖らせれば、
沙紀は優雅な手つきで紅茶を入れながら「素直じゃねぇな」と言って微笑んだ。
素直じゃないのはどっちだ。
そう思いながら、新しいマドレーヌの封を切って大きな口で頬張る。
手術を受けてから今日で1週間が過ぎた。
ちゃんと意識がしっかりした状態になってから、
“アフロディーテ”が無事取り出せたことや、杏華様の行方などの話を聞いて。
そして、あたしはあと2週間の入院と、その後1ヶ月の絶対安静が言い渡された。
そんなことを言われるくらい今回の手術は大掛かりだったんだなぁ、
なんてぼんやり考えたのを覚えてる。

