まだ完全に頭が動くわけじゃないから沙紀の言葉は右から左に流れていくけど。
ただ、なんか色々されたんだなーと思った。
あたしがそんな風に気軽に捉えてることに気付いたのか、
沙紀は「お前らしいな」と笑った。
「杏華様・・・は、逮捕・・・され、るの?」
そう尋ねると、沙紀は「分からない」と言って首を横に振った。
「杏華は最初から犯罪だとわかっていても、
揉み消す自信があったからこんなバカな真似したんだと思う」
「・・・」
「警察にも病院にも、彼女の協力者がいたはず。
だから、あとは彼女がどれだけ自分のしたことを理解して反省しているかの問題だな」
杏華様は、かわいそうな人なのかも知れない。
普通の人と違う環境に育ち、
普通の人じゃ持たない権力や財力を持ち、
愛され甘やかされ、
何をしても許されてきた。
だから、彼女は善悪の境目がわからない子どものままなのかもしれない。

