「さぁ、どうぞ」
彼女が開けてくれたのは、突き当たりにあった大きな扉だった。
そんな生粋のお嬢様に応対させてるなんて、
と割とずれたところに動揺を感じつつも中に入る。
中は本格的なゴシック様式の部屋だった。
窓にはめられたステンドグラスを見ながら、
きっと昼間は綺麗なんだろうなぁと考える。
杏華様はそんな止まっているあたしの横をすり抜けると、
真ん中に置いてある応接セットに腰を下ろした。
「おかけになって」
彼女の言葉通り、彼女の向かいに座る。
テーブルには白いティーセットが用意されていた。
「鈴さんとこうしてお話するのは初めてね」
彼女はそう言って微笑んだ。
どこかで見たことのある微笑み・・・あぁ、龍世君に似ているんだ。
何を考えているのかわからない、わざとらしい表面だけの笑顔だ。
「そうですね」
アンタ自身のせいだろ、と内心毒づく。

