うん、それも疑問だ。
ましてや、更科先生だって杏華様パワーであたしのことを無視していたはずなのに。
・・・ってことは、このプリントが手に渡ったのは杏華様の何か策略があると思ってしまうのも仕方ないだろう。
そう思って見ても、やっぱりただのプリントでしかない。
(なんなんだ?)
キーンコーンカーンコーン
相変わらず無駄に音質の良いチャイムが鳴り、次の授業の先生が入ってくる。
すぐに沙紀はあたしから1歩退いて、授業が始まった。
用意をしていなかったあたしは急いで世界史の教科書とノートを出し、ページを開く。
もちろん、渡されたプリントはこっそり本の下に忍ばせてあるけど。
(まずは、数学・・・か)
最初に見たのは数学のプリント。
見る限り、数式が並んでいるだけだ。
多少の証明問題や文章題もあるけれど、その内容におかしなことはない。
このプリントは普通にプリント、と。
そう思って、そのプリントをずらした。