「ごめん、ごめん・・・鈴っ・・・」
なんの謝罪かは分からなかった。
ただ、あたしを力強く抱きしめて、
縋るように弱々しい声を出す彼をあたしは受け止めることしか知らない。
───“一生俺から離れんな”
沙紀の言葉、守るよ。
あたしの心は、きっと一生沙紀から離れない。
だから沙紀。謝らないで。
あたしは幸せ。沙紀を愛することが出来て、それだけで幸せなんだから。
「・・・っ、 」
沙紀の声は小さなものだった。
だけど、抱きしめられているから、ちゃんと聞こえたよ。
“ありがとう”
沙紀の背中にあたしも手を回し、彼の肩に顔を埋めた。
【たまには、前からあたしを見て】
(ねぇ、沙紀。あたし、“信じてるよ”)
(あたしを。あなたを。そして未来を)
(重荷になっちゃいそうだから、口には出来なかったけど)

