あたしの答えに、沙紀は今度は腕と足を組みながら外を見た。
しばらく沈黙があった後、「それは確かに嘘じゃない」と彼は言った。
「俺は杏華が好きだったし、杏華も俺のことを好いていてくれたと思う」
「・・・」
「でも、だんだんアイツは変わっていった。
独占欲、束縛、過信・・・俺を“俺”として扱わないような態度が増えた」
沙紀は、まるで他人事のように淡々と言葉を紡ぐ。
“杏華”と初めて沙紀は彼女を呼び捨てにした・・・
それは、やっぱり話が真実である証。
この町で一番大きいと言われているこの観覧車は、
まだ4分の1くらいまでしか登ってきていない。
遊園地は、すでにはるか遠くに見えた。
「それで、関係はぎこちなくなって・・・決定打は海外に行くときに俺を置いていったこと。
何も言われなかった。
だから、ある意味別れてはいないかもしれない」
その言葉に少しだけ、胸が痛んだ。

