そこから、観覧車乗り場はすぐだった。
ゴンドラに乗り込む時に沙紀が手を貸してくれ、
なんとか中に入り込み、沙紀の前に座る。
「いってらっしゃーい」と笑顔で手を振ってくれたスタッフさんが、
ゆっくりと確実に小さくなっていった。
サンセット・スカイに包まれて、あたしと沙紀はしばらくの間無言だった。
顔を背けて、頬杖をつくように窓から外を見る沙紀の横顔を、
あたしはじっと見つめる。
あまりに綺麗なその顔に、あたしは沙紀が恋しくて恋しくて涙が出そうになった。
「・・・沙紀」
勇気を出して、名前を呼んだ。
「なに」と沙紀はまったくこっちを見ずに返事をした。
「・・・・・・あたし、本当は知ってるんだよ」
「・・・」
「沙紀と、杏華様が・・・付き合ってた、ってこと」
その言葉に、沙紀は初めて反応を示した。
ゆっくりと顔がこっちを向く。
「誰に聞いた?」
「・・・龍世君」
「・・・そうか」

