隣で呟かれた言葉にあたしは顔を上げた。
夕日に照らされた沙紀が、あたしを見て微笑む。
「この空の色、“サンセット・スカイ”だな」
あぁ、そうだ。そのまま“夕日の空”という名前。
思い出した爽快感よりも、あたしは沙紀が色の名前を言ったことにすごくびっくりしてしまった。
「沙紀、色に詳しいの?」
「多少は」
鈴も知ってただろ?と言われて、あたしは「うん」と答える。
別におかしな話でもないし、突っ込むのもおかしい。
でもなんだか引っかかったあたしは「ねぇ、沙紀」と声を掛けた。
「次、何乗る?」
「え?」
「最後だろ」
あたしの問いかけるような呼び方を、沙紀は受け流した。
それに違和感が増しつつ、あたしは「観覧車」と答えた。
唯一今日乗ってないアトラクションだ。
意外と乙女チックな趣味かもしれないけど、やっぱり遊園地に来たら乗っておきたいと思ってしまう。
沙紀は「はいはい」と言って笑った。

