Sの法則-平凡姫と俺様SP-




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ジェットコースターから降りた沙紀は、

まるで何事も無かったかのように「次は何に乗りたい?」とあたしに問いかけた。

それはまるで話を誤魔化すようで、全然沙紀らしくなかった。



でも今のあたしにとってそれはすごくありがたいことで、

あたしも出来るだけの笑顔で行きたい場所を答える。

その顔が引きつっていたことなんて、沙紀にはきっとお見通し。

沙紀の笑顔が、“SPの沙紀”のものであると気付いたあたしのように。



『まもなく、閉園のお時間です』



園内に掛かった放送は、ぎこちなく過ごしたデートも終盤であることを示していた。

傾いてきた夕日の赤さは、今日はオレンジがかっていてなんだか優しい。

たしか、この空の名前の通りの色があったな。

前に由美と一緒に美術室に置いてある参考書をめくって見つけて、

二人で「へぇ!」なんて言ったのを覚えてる。

本当にそのままなんだけど、なんて名前だったっけ・・・



「サンセット・スカイ」

「え?」