理由・・・“アフロディーテ”をあたしの体から取り除いたら。
そうしたら、あたしはなんの変哲もないただの庶民の女子高生なんだから。
ううん、本当は今も“あたし”には何も残っていないんだけど。
「・・・そうなるのって、もう遠くないんだよね」
この間の誘拐事件でマナに本当のことを話したとき。
───宝石を取り出すことは考えないの?
そう言ったマナの言葉に、心臓が跳ねたのを今も良く覚えている。
逃げていたことから、もう目が離せないって気付いたからだ。
魔法が解ける間近のシンデレラ、そんな気分。
(柄でも無いけど)
さぁっと秋風が、あたしの髪をさらっていく。
「だからたまに、あたしにもう元の世界に戻りなさいって言うために杏華様は現れたのかなって思ったりもする」
逃げたくない、っていう言葉と矛盾してるかもしれない。
だけど、いいタイミングかなーって思った。

