「あたしさ、神谷のおじいちゃん助けてから、
本当に世界が違っちゃったじゃん?」
こうして、さっきまで歩いていたはずの道を客観的に遠くから眺めている感じ。
アイスの売店が見える。
そこで買ってる女の子は、さっきまでのあたしだ。
お父さんとお母さんとお兄ちゃんとのおうち、タルトと遊ぶ庭、由美と過ごす教室、放課後の美術室・・・
たった数ヶ月前の景色が、今は遠くに見える気がする。
「最初はさ、やっぱり正直“嫌だ”って思ったよ」
「・・・」
「命狙われるとか、家離れなきゃいけないとか。
もう意味わかんないーって感じでさ。
担当になったSPは俺様でマイペースで口悪いし」
そう言ってクスクスと笑う。
あのときのあたしに今から会いに行って、
「鈴、あなたは沙紀と付き合うんだよ」
なんて言ったら、どんな反応をするんだろうか。

