Sの法則-平凡姫と俺様SP-



「はーあ」



柵を乗り越えるように寄りかかって、あたしは大きなため息をつく。

ジェットコースターの列もだいぶ進み高いところに来たから、

遊園地の景色が一望できた。

あまりに大きかったのか、「幸せ逃げるぞ」なんて沙紀が言う。



「逆だって」

「逆?」

「幸せだなぁって思ったの」



幸せすぎてため息が出るなんて、なんて贅沢なんだろう。

でも吐き出さないと胸がいっぱいになっちゃうんだもん。

あたしの言葉に、アイスの最後の一口を食べながら沙紀は「そうか?」と笑った。



「・・・幸せだから、時々苦しくなる」



本当は、沙紀に言いたくなかったけど、いつか伝えたかった。

なんとなく今なら伝えられる気がして、あたしは沙紀から目を逸らす。

沙紀は「やっぱり学校が嫌か?」と言うから

「そういうことじゃないの」と首を横に振った。