「俺に勝とうなんて100万年早い」
もはやあたしの手から取り上げてしまったアイスを食べながら、
沙紀はそう言って口角をあげた。
はいはい、もう勝とうとも思いませんよ。
「負けず嫌い」
「なんか言った?鈴」
「いいえー、何も言ってませんよー」
小さく呟いたあたしの言葉を地獄耳で拾ってしまう沙紀をごまかすと、
「俺の全部が好き、なんだろ?」
と彼は言った。(聞こえてんじゃないか)
揚げ足取り、とまた言おうと思ったけど・・・まぁ沙紀の言っている言葉はその通りでございまして。
「負けず嫌いなところも好き」
と素直に答えてみた。
だって、やっぱり彼の子どもっぽいところを可愛いって思ってしまうんだから、しょうがない。
恋は盲目、なんてよく言うものだけどその通りだと思った。

