さっきまでの赤い顔はどこへやら、
いつもの不敵で意地悪な笑みに変わっている沙紀。
代わりに真っ赤になってるのはあたしの方だった。
酸素不足の金魚みたいに口をぱくぱくさせてるあたしに、沙紀はさらに追い打ち。
「俺は、鈴のそういう可愛いところが好き」
もう嬉しさやら恥ずかしさやらで、足下から崩れ落ちそうになった。
そんなあたしを見て、沙紀はにんまりと満足そうに笑うと、
「ホント、食べたくなる」
と言って、いつの間にか溶けてあたしの手を伝っていたアイスをペロリとなめた。
・・・この俺様、周りの目とか気にならないんだろうか。
あたしはもう熱さでアイスと一緒に溶けてしまいそうよ。
あたしから体を離して、
「あ、これうまい」なんてマイペースに言いながらさらにアイスを食べ始めた沙紀に、
あたしは呼吸を整えようと長い息を吐いた。
その息は、もちろん震えている。

