沙紀の言葉に、あたしはまた目を見開く。
彼はほんの少ししゃがんであたしに視線を合わせると、ぽんぽんと頭を叩いた。
「最近、お前全然笑ってなかっただろ」
あ・・・。
沙紀に言われて気付いた。
たしかに、最近あたし笑えないことばっかりだった。
自分の両頬に手を当てると、なんとなく顔が突っ張っている気さえする。
今やっと自覚したあたしを見て、沙紀はクスクス笑う。
「今日は思いっきり楽しめ。な?」
そんなことを沙紀が言うから、胸がいっぱいで声が詰まった。
この人はこんなにもあたしを見てくれてる。
こんなにもあたしを大切にしてくれてる。
それだけでやっぱり無敵な気がする。
幸せだった。
差し出された大きな手に、小さな自分の手を重ねてぎゅっと握る。
今日は思い切り楽しもう、そう心に決めた。
「鈴、最初は何乗りたい?」
「んー、やっぱりジェットコースター!」

