「あ・・・の・・・」
「なに?」
「どうして、SPとお嬢様は・・・恋愛しちゃいけないなんて、嘘、ついたの・・・?」
かすれそうな声で絞り出したあたしの言葉を聞いて、
龍世君は目を見開いて瞬かせた。
それでもじっと見つめていると、今度はとてもおもしろそうにクツクツと笑い出す。
「あーあ、知っちゃったんだ。なんだ、てっきり杏華の話をするかと思ってたのに」
「・・・答えて、龍世君」
笑い続ける龍世君に、あたしはさらに問いかける。
警報音が頭の片隅でカンカン鳴っているのが分かる。
本当は、怖い。聞きたくない。逃げ出したい。
でも、知らなきゃいけない。
震え出しそうな膝に鞭打ちながら、あたしはまっすぐに龍世君を見つめた。
「うん、そうだよ、たしかにSPとお嬢様の間に恋愛禁止のルールはないね」
「あたしは、龍世君が“どうして”って・・・」
「僕がそう言ったのは、正確には沙紀とお嬢様の間、って言えばよかったのかな?」
龍世君の言葉に、あたしは「え・・・」と呟いた。

