「自己紹介が遅れました。
この度、神谷家より派遣され、鈴様の専属SPを勤めさせていただくことになりました、長瀬沙紀(ながせ さき)と申します」
「「「「専属SP!!?」」」」
お母さん、お兄ちゃん、由美、あたしの声が揃った。
SPって、えーっと・・・
「ス、スペシャルパーソンみたいな・・・?」
「セキュリティポリスでございます、鈴様」
え、ちょ、お母さん!そんなかわいそうな子見る目であたしを見ないで!!
(「女の子は愛嬌!」って勉強に言及せず育てたのお母さんでしょ!?)
この男・・・えーっと長瀬さん?は、あたしの馬鹿な発言を訂正すると、そのまま片手を胸に当て言葉をつづけた。
「正確に申しますと、現在は警察の人間でありながら神谷家直属で警護を担当しておりますので、“SP”というよりは“ボディーガード”の方が正確かもしれませんが」
「はぁ・・・」
「しかし、要人警護の経験もありますので、安心してそのお命をお預けください」
なんだか難しい話すぎてまったくもって付いていけない。
命を預けるってなんだ。
随分大がかりなことになってきたな・・・と眉間に皺を寄せていると、その意味を分かっているのか分かっていないのか、長瀬さんは話を続けた。

