「鈴様、ご無理をなさらなくても、私がはっきり申し上げればいい話では・・・」
「だって、そもそも杏華様が原因とも限らないじゃない?」
それにあの人なら、自分の手を汚すことなく周りの人を使ってこれくらいのいじめしそうだしさ。
沙紀を言いに行かせたら、
話す機会は与えちゃうし、下手したら濡れ衣だって口実作らせるだけ。
これは黙って耐えるのが勝ち。
「あたし、強いから」
そう言ったら、彼は少しだけ笑って「そうですね」と言った。
彼の笑顔を見ればあたしだって笑ってられる。
笑って・・・
笑って・・・
笑って・・・
「笑ってられないかも・・・」
放課後、誰もいない教室であたしは机に突っ伏していた。
今日一日、別に上履きに画鋲入れるとか、ゴミを投げられるとか、
そういう露骨ないじめは無かったんだけど。
一番痛いのは、先生や友達からのオール無視だ。
ののかちゃん、香織ちゃん、真央ちゃん、マナ、龍世君、更科先生・・・
本当にみんなことごとくあたしをスルー。

