Sの法則-平凡姫と俺様SP-




───迎え・・・?

意味が分からない。

どういうこと?何を言ってるの?彼女と沙紀はどんな関係なの?

呼吸だけじゃなくて体全体が震え出す。

疑問、恐怖、驚き、動揺、色んな感情が入りまじって苦しい。

目を閉じたい。耳を塞ぎたい。

そう思ってるのに体は言うことを聞かなくて二人に釘付けだった。

むしろ、二人以外何も見えないし聞こえなかった。



「ねぇ、沙・・・」パシンッ



嬉しそうに沙紀に手を伸ばす杏華様の手を、彼は振り払った。

伸ばし掛けた手が宙に浮き、「沙紀?」と呼んだ彼女の声は震えていた。



「・・・ご無礼を、申し訳ございません」



頭を下げた沙紀に、彼女は「いいのよ」と言う。

その声はまた穏やかなさっきまでの声に戻っていたけれど、



「どうかしたの?」



と続けて問いかけた時には動揺が混じっているように聞こえた。



「私は、今SPとして鈴様をお守りしている身です。あなたに従うことはできません」



沙紀は、はっきりとそう言い切った。