「あぁ、もう大丈夫ですか?鈴様」
「はぁ」
「驚異的な回復力ですね」
「イケメンだからって何言っても許されると思うなよ」
この野郎、という意味を込めて負けじと満面の笑顔を送る。
一瞬でもこの容姿に見とれたなんて言いたくないくらい、さっさとこの男は敵と認識した。
すると、神谷先生と彼がいる側のサイドに立っていた由美が呆れたようにあたしを見た。
「命の恩人にそんな口を叩けるアンタをある意味尊敬するわ」
また出たよ“命の恩人”。
命ってそんなひょこひょこ危険にさらされるもんだっけ。っていうか恩人って多発しますか?
意味が分からず首を傾げると、この男が変わらない笑顔のままネクタイを直しながら口を開いた。
声がずいぶん高いところから降ってくるように感じるのは身長のせいだろうか。
「先ほど、あの天井の隙間より鈴様に拳銃を向けた愚民がいましたので、
私めが代わりに被弾したのでございます」
「け、ひ・・・っ!!?」
拳銃!?被弾!?
またもや飛び出してくる耳に馴染みのなさすぎる単語に目を丸くしていると、彼は更にその貼り付けたような笑みを深めた。

