「長瀬、大丈夫か?」
「もちろんです。防弾チョッキは着ていましたから」
「一応後で背中を見せてくれ」
「はい」
どうやら2人は知り合いらしい。なんて当たり前のことしか脳に入ってこない。
防弾チョッキ?背中?何の話?
あーでもそんなこと今はぶっちゃけどうでもいいかも。とりあえず痛いの痛いの飛んで行けー。
そんな現実逃避をしつつ横に向けていた首を真上に戻したとき、天井の一部に隙間があるのを見つけた。
あれ?あんなのあったっけ?
「あの・・・?」
恐る恐る声を掛けながら首を戻す。
その呼びかけに気付いたのか、今の今まで背を向けていたあたしの上に乗っていた彼が振り返った。
そして一瞬で痛みが吹っ飛び、さっきとは違う意味で叫びたい衝動に駆られた。
横になっていても分かる長身と、モデルのようなプロポーションの上につけられた驚くほど小さい頭。間違いなく八頭身。
スッとした切れ長の瞳と、釣りあがった眉、通った鼻筋、薄い唇。
絵に描いたような完璧すぎると言っても過言ではないほどの整った顔立ちの男性。
(見慣れない人種すぎて若干引く。もはや恐怖とも言える)
彼はあたしの視線を捕らえると、にこりと貼り付けたように唇に弧を浮かべた。

