なのに沙紀があんまりにも嬉しそうに笑うから、

あたしはもう見ていられなくて、思わず沙紀の胸に頭を埋めてしまった。



「恥ずかしくて死んじゃうっ・・・」



精一杯の声でそう言ったら、

「よくできました」と沙紀は抱きしめた腕で背中をぽんぽんと叩いてくれる。



「ありがとう、鈴」



そしてそう言ってくれた。

あぁ、あたし両想いなんだな。

やっと気付いてじわじわとやってくる喜びにじわりと涙が浮かぶ。

釣り合わないとか立場がどうとか、なんか今はどうでも良かった。

ただ、あたしを抱きしめてくれるこの人が愛しくて愛しくて。

その気持ちだけで満たされる。幸せだと、思える。



「あたしも、ありがとう・・・」



そう言って、首に抱きつくように大好きな沙紀の背中に手を回した。





【いつしか目が離せなくなっていた】





(「で、鈴いつまで抱きついてるわけ?」)
(「え?」)
(「離れないとキスの1つもできねぇだろ」)
(「ちょ、ちょっとそれは心の準備がまだ無理・・・っ!」)
(「待て分かったから首しまる首しまる首しまる!!!」)