Sの法則-平凡姫と俺様SP-




沙紀は、あたしのことは手の掛かる子どもとしか思ってないだろう。

だって、あたしが依存してしまう彼の優しさは、

彼とあたしの関係が“SP”と“守られる人”という関係だからこそであって。

だから、本当は、そもそも期待なんてしちゃいけなかった。



好きになっちゃいけなかった。

どうせ無理な恋だった。

不釣り合いな恋だった。

沙紀はあたしのことなんてなんとも思ってない。

そんなの、痛いくらいに分かってるよ。

だから、“SPとの恋愛は御法度”なんて、

諦める言い訳にはちょうどいいのかもしれない。

頭ではそう思ってるのに。



「・・・沙紀・・・」



こんなにも人に触れることを望む感情が、あたしの中にもあったんだ。

小さく呼んだ名前にさえ胸がぎゅうっと苦しくなる。