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家に帰ってからはすぐに夕飯だった。
今日は珍しく神谷先生も一緒の夕飯で、
龍世君から最近の学校の話を聞きながら和気あいあいとその時間を過ごした。
明日から久しぶりの学校だし早く休みなさい、
という先生の言葉に従って部屋に帰ってきた・・・のがちょうど今。
「ふう」
声が付いてくるようなため息をついてあたしはベッドに飛び込んだ。
だって、龍世君に会ったら、思い出してしまったから。
───SPとお嬢様の恋愛は認められてないからね
ダメじゃん、あたし。
釣り合うとか釣り合わないとか、それ以前の問題。
あたしがどんなに沙紀を好きになろうが、それは絶対叶わないことなんだ。
「・・・っ」
そう分かってるのに、目を瞑ると真っ先に浮かぶのは沙紀の笑顔だった。
あたしを叱る、ちょっと困った顔。
あたしをバカにするときの、意地悪な微笑み。
あたしが心配掛けた時の、本当に怒った顔。
今日見た、無邪気な横顔。
色んな沙紀が浮かんでは消え、浮かんでは消える。

