かっこいい沙紀と、平凡なあたし。
スーツの沙紀と、私服のあたし。
大人な沙紀と、子どもなあたし。
───お世辞にも、釣り合ってるなんて言えない。
「鈴様、こちらのお店に入られますか?」
ガラスを見たまま固まってしまったからか、沙紀がそうあたしに問いかけた。
もしこのまま一緒にお店に入ったら、あたし達はどう思われるんだろう?
・・・一番可能性があるのは、兄妹かもしれない。
「ううん、いい」
首を横に振ると、沙紀は「そうですか」と言って歩き出す。
その背中を見るのが辛い。
いつだって、彼と対等に並べない現実を嫌と言うほど押しつけられているような気分になるから。
「鈴様?」
歩き出さないあたしを心配したのか、沙紀が立ち止まって振り返る。
「ごめん」と追いかけて隣に並んでみるけど、
なんだか急に周りからの視線が気になるようになってきた。
せっかくの沙紀と二人っきりのお出かけなのに。一応あたしのご褒美なのに。
気分は、思いっきり曇り空だ。

