Sの法則-平凡姫と俺様SP-




駆け寄って肩を並べながら、ふっとお店のガラスを見た。

たしかにデートに見えなくもないのかもしれない、

と思うと隣に立つ沙紀をつい意識してしまう。

ただ、やっぱりぬぐえない違和感。



「ちょっと拓巳、私アイスクリーム食べたいんだけど」

「えー?妃那さっきケーキ食ったばっかだろ?」

「だって急に食べたくなったんだもん。ほら、行くわよ!」

「へーへー」



すれ違ったカップルの会話に思わず耳を澄ませる。

なんというか、同じ目線というか、釣り合ってるというか、自然というか。

軽い言い合いも微笑ましいような等身大のカップル。

たぶん同い年くらいの子達だったから、なおさらその幸せそうな雰囲気に目が向いた。



「・・・」



それに比べて、あたしは。

彼らの後ろ姿を少しだけ視線で追いかけて、

それからまたお店ガラスに映るあたしと沙紀を見る。

分かってるんだ、あたしの感じてる“違和感”の正体なんて。