Sの法則-平凡姫と俺様SP-




「こいつ俺のもんだから、簡単に近付くな」



最強最高の殺し文句だった。

同級生達は「かーっこいい!」「さすがSP!」なんて茶化してるけど、

あたしはそれどころじゃない。

あまりに沙紀に近すぎて、心臓の音が届いてしまいそうだから。



「じゃ、そういうわけで、デートの邪魔すんなよー」



沙紀の言葉に、二人は「おう!」「今度飲もうな!」と言って手を振った。

それに軽く会釈して、沙紀があたしの肩を押すようにして彼らに背を向け歩き出す。



「・・・すみませんでした」



しばらく歩いてから、急に沙紀があたしの肩に回していた手を外してそう言った。

急に重みも温かみも減った肩にわずかの寂しさを感じながら、

緊張から解き放たれたことに安堵の息をつく。

それをため息と勘違いしたのか、

「そんなに嫌でしたか?」と沙紀は困ったように眉を下げた。