な?
そう言って沙紀があたしの頭をポンポンと叩いた。
触れられた頭が熱くなる。
息が出来なくなりそうなくらい胸が詰まって、
やっぱり沙紀が見れなくて顔を逸らしてしまった。
知らない人にしか見えない。
でも知ってる人。
ドキドキする。
「へー!そうなんだ!どう?お嬢って楽しい?」
「どんな生活してんのー?」
「え!?」
沙紀から逸らして泳がしていた視線の先に入り込むように、彼らはあたしの顔を覗き込んだ。
そりゃこの話の流れならあたしに興味がわくのもわかるけど、
まさか話を振られるとは思わなくてあたしはびっくりしてしまう。
とは言っても別に人見知りするタイプじゃないし、
「楽しいけど大変さの方が多いです」と答えようとした。
でも、答えるより早く、
「こら」
と沙紀があたしの肩を掴んで引き寄せた。
トン・・・と触れる沙紀の体に、あたしは今日最大に心臓が跳ね上がる。
口から出るかと思った、ってこういう感覚なんだと思った。

