Sの法則-平凡姫と俺様SP-




いつもより少し低くてラフな喋り方。

最近たまに聞く口調だ。

毎日聞いてるはずの声なのに、なんだか別人に感じて、

あたしは沙紀を見上げてしまう。

聞いたことも無いような無邪気な声に、あたしの胸の奥がとくんと動いた。



「言ってなかったっけ?俺、今SPやってんの。この子は担当のお嬢」

「え、うっそマジで!?

SPとかテレビでしか見たことねぇんだけど、かっけー!」

「つーかお嬢とSPってこんなとこ来んだな!!」



沙紀の言葉に、彼らの目がランランと楽しそうに輝く。

(たしかにあたしもこの世界に無縁だったら、すごく興味深い話題だったかもしれない)

ただ、“俺”とか“お嬢”とか、

沙紀の口から漏れていく言葉が初めて聞く言葉ばかりで。

本当の沙紀を見れた気がして、あたしのドキドキが止まらない。



なんだか緊張して、でももっと聞きたくて・・・

そしてそんなことを思ってしまう自分が恥ずかしくて、沙紀の顔が見れなかった。



「お前高校の頃から運動神経良かったもんなー!」



と納得したような同級生の言葉に、昔の沙紀を一瞬だけ垣間見た。