うーん、と考え込むと、
「それでは、ウインドウショッピングといたしましょうか」
と沙紀が提案してくれた。
「それがいい!!」
「入りたいお店があれば、なんなりとお申し付けくださいね」
沙紀の笑顔にあたしはまた頷いて、うきうきと第一歩を踏み出す。
この人々のざわめき、色んなお店が混ざった匂い、
そして聞き慣れたこのショッピングモール宣伝の音楽。
空気全部が久しぶりで、嬉しくて、楽しくて、まるでスキップでもしてしまいそうだ。
まぁ、スキップなんてしないけど。
ううん・・・しないんじゃなくて、出来なかっただけ。
意気揚々と歩き出したあたし達の後ろから、声が掛けられたから。
「あれ?沙紀?」
それも、沙紀にだ。
あたしが呼ばれたわけじゃないのに、思わず沙紀と一緒に振り返った。
カジュアルな服装をした短髪の男の人と、無造作に整えられた明るい髪が印象的な男の人。
年齢は間違いなくあたしより上で、沙紀と同じくらいに見える。

