「───ねぇ、先生?」
「何かな?」
そんな光景にため息を少し付いてから、あたしはゆっくりと声を出した。
神谷先生はみんなの反応に驚いていたけれど(そりゃそうだ)、苦笑しながら近づいてきて、そして顔の側にしゃがんでくれた。
それに応えるように、あたしも少しだけ酸素マスクを浮かせて話す。
「要するにさ、また手術できるようになるまでの間だけ、あたしは宝石・・・アフロディーテだっけ?を守ってればいいんでしょ?」
「まぁ・・・そういうことだね」
あたしの確認に、神谷先生は迷いながらも頷いた。
なんだ、じゃぁ話は早いじゃないか。と思ってあたしは今の全力で笑顔を作って見せる。
「じゃぁ、大丈夫です。あたし、こう見えて鬼ごっこもかくれんぼも得意ですから」
頑張りますよ、とベッドの中で両手にこぶしを作って見せる。
神谷先生は呆気にとられたように目と口を開いて、それから眉を下げながら微笑んで「はー」と声にならない声を漏らした。

