「まったく、資料を忘れて損をしました」
「損じゃ無くて得じゃないのかな?
鈴さんにこんなにも信用されててSP冥利に尽きるだろう?」
「聞けて良かったじゃないか」と笑う神谷先生と、
「まぁ」と言葉を濁す沙紀。
そういえば、
「さっきも、“ラブコールを聞けて”とか言ってましたよね・・・?」
いや、全然ラブコールではないんだけどさ。
なんとなく嫌な予感。
おそるおそる尋ねると、神谷先生は今日最大の笑みを浮かべた。
「鈴さんの熱意を、沙紀にも聞いてもらっていたんだよ」
っていうことは、あたしが熱弁をふるってるとき、もう沙紀はいたってこと・・・?
理解すると同時に一気にあたしに恥ずかしさが襲ってきた。
「鈴さんの分の罰ゲームですよ」と神谷先生は茶目っ気たっぷりに言うけど、
ちょっと・・・いやなかなかの罰ゲーム!!
あ、あんな言葉を沙紀本人に聞かれていたなんて・・・!!
両手を両頬に当てると、ものすごく熱かった。
「鈴様は本当にバカですね」
いつも聞く言葉。
でもその響きが優しくて、あたしの火照りは冷めることを知らない。

