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・・・・・・・・・長瀬って・・・沙紀?
その言葉がやっと頭に届いて、そしてあたしはバッと顔を上げた。
見れば、この大きな部屋の右側にあるドア
(あたしが入って来た両開きとは違う、隣室に繋がっているだろう小ぶりなドアだ)
に、
「沙紀・・・っ!!」
会いたくて会いたくてたまらなかった、沙紀がいた。
沙紀は困った顔をして、額に手を当てている。
「まったく、忘れ物をしたから取りに来たらこれですよ・・・」
「いやぁ、良かったじゃないか。熱烈なラブコールを聞けて」
「旦那様も意地が悪い。
私がここにいることなど、気付いていたのでしょう?」
呆然としている前で交わされる沙紀と神谷先生の会話。
その意味がまったく理解できなくて、あたしは一人きょとんとしてる。
「鈴様」
不意に沙紀があたしの名前を呼んだ。
ほんのちょっとしか会ってないはずなのに、久しぶりに感じて思わず背筋を伸ばしてしまう。

