「初めて君と喋ったときも同じことを思ったよ」
「?」
「なんて妻に似ているんだろう、ってね」
神谷先生はクスクスと笑いを零す。
「意思が強いところ、頑固なところ、その譲らない視線も本当にそっくりだ」
そう言ってから、神谷先生は小さい声で「僕はその目に弱いんですよ」と付け足した。
やっと、先生の言葉の意味が分かる。
「それって・・・」と呟いたあたしに、神谷先生は目尻の笑い皺を増やした。
「次の査問会で、沙紀の処遇をあなたの元に戻すとお約束しましょう。鈴さん」
「あ・・・ありがとうございます!!」
安心が一気に訪れる。
あたしは勢いを付けて、神谷先生に90°頭を下げた。
そのまま顔を上げようとしたけれど、あたしはそのまま動けなくなる。
なぜなら、神谷先生がとんでもないことを言ったからだ。
「───良かったですねぇ・・・長瀬」

