神谷先生の言葉は、まったく間違っていない。
確かに、あたしは危険な目に遭ったし、それでいて運も強かった。
また単独行動をしたら次は何が待ってるか分からないし、
もしかしたら、今度こそ戻ってこれなかったり、最悪命がなくなる可能性だってある。
すでに神谷の名前に何度も何度も傷をつけてしまってることだって自覚してるんだ。
───だけど。
「それは、全部あたしの行動が招いたことです・・・沙紀は、関係ありません」
あたしははっきりとそう言い切った。
その言葉に、神谷先生は「ほう?」と呟く。
「───あたしは、今まで人を守るという意味を、
そして守られるという意味を決して正しく理解していませんでした」
「・・・」
「自分の感情や意識を優先することが第一で、
あたしを守るといってくれた沙紀の決意を、
守られる自分の立場や責任を、分かっていませんでした」
初めてその意味に気付きそうになったきっかけは、
ダンスパーティーで落ちてきたシャンデリアから沙紀があたしを守ってくれたとき。
あのとき、あたしは確かに鉛のような重い何かを感じて・・・
・・・ただ、その気持ちを追いかけなかった。
今なら分かる。
あのときに感じたあの気持ちは、
初めてあたしが感じた “罪悪感” 。

